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「開発者である前にクリエイターでありたい」作りたいのは人が集まる概念!?

「キャリアは会社で作るもの」という考えは、多くの人にとって常識かもしれません。
しかし実際は、プライベートの活動からオリジナルなキャリアを構築することで、社外の文化や技術を取り入れた強みを育てることができます。DW-DX事業本部 DX開発推進センターの益田怜央さんはその一人。コニカミノルタでは主にスクラムマスターとして新規事業に携わりながら、プライベートではゲーム開発事業に対するアドバイザリーのほか、自らもゲームクリエイターとして多様な活動を行っています。 これほど多彩な強みをもつと独立してもっと独自のキャリアを歩んでいくことも視野に入りそうですが、なぜコニカミノルタで働くことを選んでいるのでしょうか。「開発者である前にクリエイターでありたい」と語る益田さんが、組織の中で働く理由に迫ります。


益田 怜央さん

大学では電気電子工学、大学院では情報工学(人工知能)を学んだのち、国内メーカー系SIerにてキャリアスタート。2019年3月にコニカミノルタに入社。データ分析プラットフォーム事業、学習支援サービスtomoLinksを経験し、現在は多言語通訳サービス MELON(医療機関向け)とKOTOBAL(自治体・行政向け)の事業開発を推進している。

サービスだけでなく「人」の成長に向き合う。スクラムマスターの醍醐味

──益田さんは2019年3月にコニカミノルタに入社したそうですが、転職したきっかけと入社の決め手を教えてください。

大学院で人工知能工学を学んだ後、新卒で国内メーカー系のSIerに入社し、ソフトウェアエンジニアとして決済端末(POSシステム)の開発などを行っていました。 転職活動を始めたのは、社会人4年目の頃です。そろそろ新しい業種で働いてみたいと思い、コンサルティングファームからメーカーまで幅広く検討した中で、最終的にコニカミノルタを選んだのは「最も何をしているのかわからない会社」だったから(笑)。幅広い領域に事業を展開しているからこそ、いろいろなチャレンジができる環境がありそうだと思いました。

──現在はどのような業務をしていますか?

当社の新規事業である多言語通訳サービスのMELON(医療機関向け)とKOTOBAL(自治体・行政向け)の開発です。日本で暮らす外国人に対して、病院や自治体にて円滑にサービスを提供できるように、タブレット端末を通じて多言語での会話を可能にする「コミュニケーションDX」を推進しています。

私は昨年11月に開発マネージャー兼スクラムマスターとしてプロジェクトに加わりました。すでに「0-1」「1-10」と言われる立ち上げフェーズは達成しており、「10→100」の事業成長ステージへと加速(アジャイル)させる役割を担当しています。

──スクラムマスターの仕事の醍醐味は何でしょうか。

開発する製品だけでなく、メンバーの方を向いて仕事ができることです。

私の考えとして、組織が成長しなければ良いサービスは生まれないと思っています。メンバーが達成感を感じられるような目標を定め、やりがいのある業務を仕込み、メンバー個人のキャリアを一緒に育てていくこともスクラムマスターの大切な役割だと考えています。普段の業務で特に意識しているのは、開発の目的をメンバーにきちんと伝えることです。このプロセスを丁寧に続けると、言葉を尽くさずとも要旨を理解してくれるようになるので、手段や詳細を話す時間が短くなります。結果、作業時間や改善活動に使える時間が増えるので、メンバーはより快適に高速開発ができるようになります。

──各メンバーのモチベーションを高めることで、組織全体の生産性を高めているのですね。

そうですね。同時に自分は、3ヶ月先にメンバーが総入れ替えになったとしても問題のないチームを作りたいと思っています。アジャイル開発を円滑に進められる文化がチームに根付いていれば、突然人が変わっても開発はストップしません。事業の継続性を保つためにも、スクラムマスターが組織の成長にコミットすることは非常に大切だと考えています。

10年以上続くゲーム開発の趣味が、個人のキャリアにもたらすもの

──益田さんは多様な活動をされていると伺いましたが、業務外ではどのようなことをしているのですか?

ゲーム開発事業を展開している企業に対するアドバイザリーと、個人ゲームクリエイターとしての共同開発です。大学時代より商業ゲームプログラマーと知り合ったのがきっかけで、かれこれ10年以上ゲーム関連の活動を趣味として続けています。

──今までどんなゲーム開発に携わってきたのですか?

具体的なタイトルをここで言うことはできないのですが(笑)、トリプルAと呼ばれる世界規模で展開されるものから、インディーズまでさまざまです。ゲームにあまり詳しくない人でも、一度は耳にしたことがある作品が含まれていると思います。

──それはすごいですね! ゲーム開発者へのアドバイザリーとは、どのようなことをするのでしょうか。

ゲーム開発にはシナリオを考える人や絵を描く人、音楽を作る人などの多様なクリエイターが関わっています。クリエイターは素晴らしいアイデアや技術を持っていますが、つい完璧を求めてしまう傾向があるので、うまくマネジメントできないと「いつまで経ってもゲームが完成しない」ということがよく起こります。そこで自分は、開発が思うように進まず悩んでいる時に、どうすればチームを立て直せるかという観点からアドバイスをすることが多いです。

──益田さんはゲーム開発者から信頼されているのですね。これらの活動は益田さんにどんなメリットがあるのでしょうか?

先ほどゲームを作っている方を開発者ではなくクリエイターと表現しましたが、コニカミノルタの業務でも「開発者である前にクリエイターでありたい」と思っています。開発者とクリエイターの違いを端的に言うと、アプリケーションを作るときに単に機能を作って終わらせるのか、それともユーザーの体験や感情を具体的に想像しながら機能を作れるかどうかの違いです。 自分は常に後者でいたいと思っているので、ゲーム業界の方から刺激をもらったり、自分自身もゲームクリエイターとしての活動はとても価値があると考えます。しかもこの活動で得た経験は、コニカミノルタの業務にも生きていると感じます。

──どのような点がコニカミノルタの仕事に生きていますか?

さまざまな人と接することで得られた多角的な視点と、濃い人的ネットワークですね。このネットワークを活かせば、日々の業務で何か大きな壁にぶつかった時、短い時間でより有益な情報やテクニックを得られるので、今の仕事にとても役立っています。

大きな組織は「上手くいかないこともあるから面白い」。コニカミノルタというフィールドを選ぶ理由

──ゲーム開発の趣味と仕事のバランスはどのように取っているのですか?

もともとコニカミノルタには働き方を選択できる制度があるので、決まった時間に会社の仕事をする必要がありません。フレックスタイムは、終業時間そのものをずらす仕組みで、入社時は、そういう働き方をしていました。入社2年目に、より高い目標にチャレンジできる裁量労働制のイノベーションコースに切り替え、より時間的拘束をなくしました。そのため、時には午前中はハッカソンや社外交流し、午後はコニカミノルタで働き、夜はゲーム関連の活動をするといった時間の使い方もできます。ただ実際は、平日はコニカミノルタの仕事をして、土日にゲーム関連の活動をすることが多いですね。私はキャリアはプライベートでも形成されると思っているので、会社が社外活動にも参加しやすい環境を提供してくれるのはありがたいですね。

──そこまですると益田さんは、ゲーム関連の会社への転職や独立を考えたことはないのですか?

それはないですね。現実世界のシステム開発を知っているからこそ、近未来に実現しそうなシステムをゲームの中で創造できます。独立したらきっとメーカーとしての開発ができず寂しくなってしまうのではないでしょうか。それに、自分は大きな組織で働くのが好きです。大きな組織だからこそ上手くいかない部分もありますからね(笑)。

──大きな組織で働くのは、うまくいかないから好き?

はい。組織ですから何かしらの課題を抱えています。特に立ち上げ時や人の出入りがあったときは、どうしてもスピードが落ちることが多いです。でも、先ほど説明したような工夫を重ねていくと、徐々に作業効率の高いメンバーが現れ、課題解決の達成感が広がり、良い文化として定着します。つまり「うまくいかない」と思うことは、チームが成長するチャンスなのです。自分はそれを乗り越えることに、やりがいや喜びを感じているのだと思います。

また、さまざまな職種の人と関われるのも大きな組織ならではの良さだと思います。特に最近はコニカミノルタジャパンとの協力体制が強化されているので、営業や企画、プロモーション担当者などとのコミュニケーションが取りやすく、幅広い人のアイデアを業務に活かすことができていると感じます。

──コニカミノルタのような大きな組織に所属しながら、個人的にゲーム関連の活動もするのが益田さんにとって心地よい働き方のようですね。それでは最後に、今後の目標を教えてください。

まずはスクラムマスターとして、チームメンバーが幸せなキャリアを歩めるような支援をしていきたいです。それは、例えばみんなが集まる中心の火に自分自身がなるというよりも、その火が大きく燃えるように薪をくべるようなものです。自分はチームの中心にあるべきなのは、人ではなく概念だと思っています。みんながサービスやチームの文化に対してキラキラと憧れるような気持ちを持ち続けられたら、きっと最高のチームになれる。自分はその概念を育てるような存在でありたいです。

そして、ゲーム関連の活動はもちろん続けていきます。コニカミノルタの社員でありながら、クリエイターであり、プレーヤーであり、マネージャーでもあるという働き方を、これからも楽しみ続けていきたいですね。

─インタビューを終えて─
「開発者である前にクリエイターでありたい」との想いから、会社以外の場所でもキャリアを構築しつつ、大きな組織で働くことの醍醐味を堪能する益田さんはまさに「シン・企業人」。益田さんのような多彩な強みを持ちたいと考える人や、「キャリア=会社」という固定観念を覆す働き方に、刺激を受ける人は多いのではないでしょうか。

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